人とは違うものを求める

JQ194_72A予算削減と遊びを入れるためにWEBサイトも自分で作った。サーバーから日付を取得して、

簡単な暗号化処理を施す。番組内では毎日撮影しているふりをしているが、

実際にはムービーファイルを毎日アップするわけにもいかないので、

いっぺんに全部とりだめてある、アクセスすると、サーバーからきょうの日付を取得して、

暗号化されたムービーファイルを取りに行く。こうすれば先の日付のムービーファイルを見られる心配もない。本気で暗号化ルーチンごとハックされたらばれてしまうが、堅牢さよりコストがかからないほうを選んだ。

1回の構成は次の通りだ。前半は自称料理研究家の先生と助手が進行する料理番組。

「お具材」と呼ばれるおむすびの具がテーマとして指定される。

それを使って雑談をしながらほぼ即興で、ノリで、おむすびをにぎる。

後半は3人の審査員がそれを味見して、100点満点で点数をつけるまったく無駄のない構成。

ちなみに審査部屋はアートディレクター氏の寝室だ。部屋には食材のにおいが染みついた。

こうして6日間にわたる撮影で200余りの料理番組をとりだめて、「きょうのおむすび」をローチンした。

このコンテンツはバナーなどのプロモーションをほとんど打たなかったにも関わらず、

アクセスはじわじわと増えていった。YouTubeやに懇意コ動画にも勝手に転載されていった。

「広める施策」をしなかったのだが、知った人にはとことん好きになってもらえた。

これを書いているいま、どうやって広めるかに施策は移っている。主張をずらさず、

誰もまだやっていないものをきちんと作りきって世に出せば人々は本当に素直な反応をしてくれる。

誰も見たことがないようなコンテンツだから評価されると問題点もくっきり見える。見えれば、

作り手としての次の目標ができる。見たことがあるようなものを作ると、評価もあいまいになりがちだ。

「ワン・オブ・ゼムだね」と言われても先に進みようがない。

ただ、人とは違うものを求めるにしても、最近は随分と表現に規制ができている。例えば、

「ダウンタウンのごっつええ感じ」をはじめ、バラエティ番組のDVDの売れ行きが好調だが、

そういう昔のバラエティ番組を見ていると、「これは今なら放送できないだろうな」と感じることがある。

同時に、なぜそう感じたのだろう、と不思議に思う。そこで初めて気付く。表現が規制されていることに。

封滅されたものは今日から私はいないことになりました、とは言わないので、

それがなくなってしまっていることになかなか気づかないのである。

明らかにテレビでは、表現の自主規制が増えている、でも、テレビがつまらなくなったかというと、

決してそうではない。テレビ局の番組制作能力は偉大だ。あれがだめならこれ、

と新しいタレント、お笑いの手法、切り口を見出してくる。ネットのうわさや新しいメディアにもすぐに飛びつく。

広告代理店では、「すわテレビCM崩壊か」などと叫ばれたりもするが、

私はまだまだそんなことないだろうと感じる。HDDレコーダーの機能によってテレビCMがカットされてしまっても、CMへの接触はまだスペシャルサイトなど足元にも及ばない。


話が横にそれたが、実はその自主規制の余波がインターネットの世界にも来ている。

インターネットでも映像が当たり前のように使われるようになったのは、2006年ごろ、

YouTubeにflashvideoが登場してスタンダードになったあたりだろうか。

あくまでこれを書いている現在の話だが、そうした映像ではテレビだったらあり得ないような

「ちょっと危ないんじゃないか」という表現がバイラルムービーという名のもとにどんどん作られている。

そこには まだ表現の未来がある。

ところが、コーポレートサイトやブランドサイトとなると、話は別だ。

奇抜な表現を出すと、「やめてください。」と言われるっことが多い。

理由は「なんとなく恐いから。」以前の私なら「何がなんとなくだ。」とクライアントに

パワーボムを食らわしたい衝動に駆られたが、今はまったく正しい主張だと思っている。

彼らはきっと私たちよりホームページに触れる鵜時間が少ない。一般ユーザーのそれに近い。

テレビというメディアですでに圧殺されてしまったような種類の表現を見て、はじけてるね、けど、

なんか怖いね。と感じるのはごく当たり前の反応なのである。それが一般のユーザーの反応でもあるのだ。

要するに私たちはテレビというまだ強い影響力を持っているメディアが作り出す大きな潮流を

横目で見ながら、その隙間を縫うような表現をしなくてはいけない、ということだ。

それと同時に「ふつうといわれているものはどんどんつまらなくなっている。」ことも意識しておきたい。

こう考えるとOKを出せるアイディアを見つけるのは相当難しい。

ホームページというメディアがいわゆるただのホムペからもうちょっと責任のあるものになりつつあることを考えると、逆にもう少しテレビと仲良くしたほうがいいのかもしれないとは感じている。

CMの最後でURLが表示され、「○○で検索してください。カチ」となり、

「続きはホームページで」になった。そろそろ、「ホームページの続き」で始まるテレビCMがあってもいいじゃないか。いつかやります。ホームページ作成会社は東京アドマノで。