WEBの企画

JQ192_72A私は漫画のプロットを考えるような感覚で、WEBの企画を考えることが多い。

ここで一つ一緒に考えてみたい。もし読み切りの漫画企画を考えるとしたら、次の3つのうち、

どれが一番面白そうか。

A退屈な日常で平凡な日々を描く

B退屈な日常に突然空から美少女が降ってくる。

C火星の日常に突然空から金星人の美少女が降ってくる。

面白い企画、つまり受け手が引き込まれやすいもの。答えはBだ。

ABCはそれぞれ「日常のなかの日常」「日常の中の非日常」「非日常の中の非日常」を表している。

そしてBの「日常の中に非日常」はどこかを切り取ればそれだけで十分に面白いのだ。思いつく漫画をABCに振り分けてみよう。

A高校生がバスケットで日本一を目指している。/ボクシングで世界一を目指している。/

二世帯住宅の愉快な日常/音大に通う若者の日常/美大に通う若者の日常/小学二年生の少女の日常

B平和な家庭に突然未来からネコ型ロボットが登場/平和な家庭の地下に槍で封印された妖怪が眠っている/ひ弱な主人公が実はデスメタルバンドのボーカル/金魚がしゃべる/水をかけられると女になる

C榎本俊二/板垣恵介/荒木飛呂彦/漫☆画太郎

なんということでしょう。B区分の見るからに楽しそうなこと。企画にしやすいのである。

一方、Aは言葉だけをっ見るとふつうだが、真の名作がたくさんある。Cは読む人を選びそうな気がする。

Bは企画としても通しやすいし短いコミュニケーションで面白いものになる。

さて自分が伝えたいと思っている相手はこのうち、どれを求めているのだろうか。そしていま作ろうとしているものは

どこに分類されるものなのか。

ホームページ作成をするとき、私はついつい技巧に走りがちだ。誰も見たことがないもの。素晴らしくかっこいいものを作ろうと考える。それが芸術だったらCでいい。でも私たちがやっているものは広告であって、できるだけたくさんの人に素早く伝えることが求められる。表現を通して、プロダクトを好きになってもらいたい。そういう意味ではAの作家は偉大だと思う。Bのような企画としてのおいしいネタがないのにも関わらず、きちんとじっくり日常のドラマを描いてBにはできない、読者への強い共感を生み出しているからだ。

そういう目でWEBを見ると、スペシャルサイトなどというものはもっともっと日常的でよいのではないか、

日常にふとある面白いものを切り取ればいいのではないか、と思えてくる。

興味のない人がスペシャルサイトに触れてくれる時間なんて読み切り漫画より短い。そこに

「今まで誰も見たことがないものを」と気負って作ると、Cのコースだ。

逆に自分が普通だと思う人はなるたけ変な企画からスタートして、着地点をBに持って行ったほうがいい。

結論としては、Bが企画にもしおやすいし、短いコミュニケーションで面白くなる可能性が最も高い。

しかし、Bの中でもできるだけAによっていく努力をしたほうが、共感や普遍性を持たせることができそうだ。

Cはもう…生まれ持ってのものだと思う。そこにflashを使う必要があるだろうか。賛美がほしいのか、

共感がほしいのか、そんなかっちょいいflashより、もしかするとコーラにメントスくらいのほうがいいのではないか。